【コラム】2026年1月 「学校へ行きたくない」と言われたお父さんは!!
2026年1月の竹内先生のコラム(お手紙)です。
竹内先生の自筆版はPDFファイルを参照下さい。
— 以下テキスト版 —
「学校へ行きたくない」と言われたお父さんは!!
不登校の親の会に参加されるのは、ほとんどがお母さんで、お父さんが参加するのは少ないのですが、そんな中、朝日の夕刊(12/2)で、お父さんの対応思いの記事が載っていたので取り上げました。
記事のタイトルは『不登校突き放した父の悔い』です。以下抜粋して書きます。
「ふざけんじゃない」2017年秋の日曜日の夜、神奈川県に住む会社員の男性(47才)は、「頭が痛いから、学校を休みたい。」と言った小学校4年生の長男に対して、声を荒らげてしまった。長男は翌日から学校へ行きしぶるようになり、約1年後には、ほとんど登校しなくなった。
お父さんは長男の態度を受け入られなかった。「仕事は嫌でも投げだすことはできない。社会はそんなに甘くない。」⦅この思いは多くのお父さんが共通している思いではないでしょうか。「甘ったれてどうする」⦆
その男性は当時、仕事で追い詰められていた。広告会社の営業部長として会社の改革を率いる立場だった。自信もないのに意見を求められる。上司にも部下にも頼れず一人で背負い込んでいた。「家族を養うために、自分は我慢して働いているのに。」そんな思いが消えなかった。長男のために情報を調べたり、セミナー受講したり、率先して動いていたのは妻だった。長男は18歳になっていた。地元の中学校は行かず卒業後も進学しなかった。今も部屋に閉じこもっているが元気なときは、リビングに出て談笑したり、妻の仕事を手伝うときもある。・・・・(そして)男性も少しずつ長男を受け入れていった。「『学校へ行かなくてもいいよ』と。最初から言えていたら長男はここまで苦しまなかったなと今はそう思う。」と。・・・・
そして父親は「学校に行っておかないと社会に出た時に困る」「将来のために強強ぐらいできないと」と思っている父親は多いのではとまとめています。
「行かない」「行きたくない」という子どもの気持ちに寄り添う前に「行かないと苦労する」だから「行くべきだ」と、子どもの将来のことを考え子どもに対応することが母親より多いのではとまとめている。
多くのお父さんは、子どもから「行きたくない」と聞いたとき、現在のことではなく将来どうするのという心配が先に立って「ふざけるんじゃない」「大きくなって、何も できないことになるぞ」と子どもの将来を心配した言葉、語気が強くなる。
子どもは学校をサボりたくて、楽をしたいからと思って「行きたくない」と言いだす子どもは一人もいないと思っています。子どもは我慢に我慢を重さねて、もうこれ以上我慢できないと思ったとき、初めて親に「行きたくない」と言いだすのです。子どもに「どうして」と訳を聞いても、説明はできないのです。学校に行きたくないという訳はひとつではないのです。「友だちとうまくいかない」「先生の声が恐い」「勉強が難しい」などなど自分でもどうしたらいいか分からないことが、たくさん積み重なって、行きづらい気持ちが生まれるのです。でも「行かなくてもいい」と思っている子は一人もいないのです。学校へ行かなくてもいいと思っている子はいないのですが、ある日突然足が、気持ちが止ってしまうのです。だから「なぜ行きたくないの」と聞かれても、子どもは説明できないのです。いっぱいありすぎて、子どもには分からないのです。
子どもにすれば、勇気を出して「行きたくない」と言ったのに、「ふざけるんじゃない」「頭が痛いから休みたい!!」と語気強く言われたら、子どもは気持ちが沈むばかりです。「頑張って行こうよ。」と言うのではなく、「何が何んでも学校へ」と手を引っ張ってでも連れて行こうとする親ではじまる不登校。そして、子どもは部屋に閉じこもることになるのです。将来のことを考えてのことと父親。でも、子どもは、今、行けないのですと。何でか分からないけど将来のことは、まだ考えられない。今のこと「行けない」ことを分かってよと、子ども。このお父さんは、分かるまでに10年かかっています。でも子どもの気持ちが分かってもらえてからは、部屋に閉じこもっていないで、リビングにも出てこられるようになるのです。
この記事を読みながら、広木先生のお話の中で聞いたエピソードを思い出しまた。中学校時代から不登校の息子。高校へも行かず、ある時、お母さんに「オレのひざをもんでくれ」と言われたと広木先生の親の会で話したとき、広木生は「それはいいことだ」「手を抜かずにもんであげて」と言われ、それから毎日、高校の息子の膝をもんだ。 毎日毎日痛くない膝をお母さんはいっしょうけんめいもんだ。そして、ある日、息子が「もういいよ」と。一年ぐらたったある日言われたそうです。その日から、息子は勉強をしだし、広木先生が講師をしていた大学に入学したそうです。子どもは、安心できたら、自分のことを大切にしてくれる親がいると感じられたら、安心して自分のやりたいことに向って、いけるのです。子どもの道は親が決めるのではなく、自分が決めるのです。もし、失敗しても「大丈夫だよ」と味方になってくれる親がいれば安心できるのです。失敗なんて恐れない。もう一度、もう一度と挑戦し続けることができるのだと思うのです。何をやりたいかは、親が決めることではなく、子ども自身が自分で決めるのです。そして、親は、どんなことがあっても、子どもを応援し続けることだと改めて思います。自分を信じてくれる親がいれば、どんな子どもも勇気百倍です。
2025年12月中旬 竹内春雄
