【まなざしの先に】
第1話:「覚えないうちに死んじゃうから!」88歳、学び続ける情熱
パソコンと人生、どちらもあきらめない背中に触れて
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> 今日の“まなざしの先”には、「今、覚えなきゃ間に合わない」と笑う米寿の方の、まっすぐな眼差しがありました。
このコラムでは、日々の活動や地域での出会い、読書や小さな気づきを「まなざしの先に」映る風景として綴っています。
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「パソコン、覚えないうちに死んじゃうから、早く教えてくれ」
そんな力強く、そしてユーモラスな一言から、今日のレッスンは始まりました。
88歳、米寿の男性。
この方は70代の頃からパソコン教室に通い、WordやExcelなど、目的に合わせて学びを深めてこられました。
今は自分に合った学び方を求めて、地域でレッスンを探し、私のもとへたどり着かれました。
今回のご要望はとても具体的でした。
・YouTubeでカラオケの練習がしたい
・好きな曲で踊りたいので、検索の仕方を知りたい
・一人でもすぐに画面を開けるようにしたい
その願いに沿って、検索方法や再生の仕方、ブックマークの使い方などを一緒に確認し、手元に残るよう操作の手順もメモしていきました。
家族の介護を終えた今、「これからは自分の時間」と話す笑顔に、
私は、生きることへの意志の強さと、命の輝きを感じました。
「覚えられたら本望だよ」
その一言が胸に残ります。
のんびりとお話を聴きながら、笑い合いながら進めた今日の時間は、
“教える”というよりも、互いの存在を味わうような、心のふれあいでもありました。
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こうして綴る日々の出来事は、
まるで小さな灯りのように、心の奥に残っていきます。
次回もまた、まなざしの先で見つけた風景をお届けします。