【まなざしの先に】
第4話:「私は、私にできることをしているだけ」
―― 小さな“ひとしずく”が、誰かの希望になるとき
> 今日の“まなざしの先”には、炎の中を飛ぶ小さなハチドリの姿がありました。
それは、あきらめの先に灯る、静かな意志のひとしずくです。
このコラムでは、日々の活動や地域での出会い、読書や小さな気づきを
「まなざしの先に」映る風景として綴っています。
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森が燃えていました。
動物たちはどうすることもできず、逃げていきます。
そんな中、小さなハチドリが、くちばしで一滴の水を運び、炎に向かって飛んでいきます。
「そんなことをしても無駄だよ」と笑う動物たちに、ハチドリはこう答えます。
「私は、私にできることをしているだけ」
このお話をはじめて聞いたとき、私はポーラスターの活動の始まりを思い出しました。
参加者はたった7人。
名刺を配っても誰も見向きもせず、
「たかがラジオ体操」と思われているような、静かな孤独の中にいました。
でも、来ても来なくてもいい、
ただ“そこにあっていい場所”を続けること。
誰かの小さな勇気を、そっと受けとめられる場を作りたい。
そんな気持ちで、ひとしずくを運ぶように続けてきました。
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このハチドリの姿は、特別な教えや思想ではなく、
日々の暮らしの中で育まれる、人と人とのあたたかなつながりを思い出させてくれます。
「自分には何もできない」と感じていた時期がありました。
手を差し伸べられても、受け取る勇気さえ持てなかった日々もありました。
でも誰かが、無理に引き上げようとせず、
ただそっと、待っていてくれたからこそ、私は一歩を踏み出せたのです。
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ポーラスターも、そして地域の様々な居場所も、
そんな“ひとしずく”の積み重ねでできています。
これから何かを始めたい方へ、そっとお伝えしたいことがあります。
「やってみたいけど、自信がない」
「何か始めたいけれど、どこから?」
そんな方に向けて、地域での第一歩を応援する講座が開催されます。
【STEP1】学ぶ
6月12日(木)10:00〜12:00
会場:福祉パルなかはら
講師:牧岡 英夫 氏(共育ひろば主宰)
活動報告:児玉 儷子 氏(ひまわりの会)、宇賀神 はな子(ポーラスター)
【STEP2】体験する
6月16日(月)〜7月25日(金)のうち1日
地域の現場で実際のボランティア体験ができます
【STEP3】ふりかえる
7月28日(月)14:00〜16:00
会場:福祉パルなかはら
講師:牧岡 英夫 氏
【定員】20名
【申込締切】5月30日(金)17:00必着
【申込先】なかはらボランティアセンター(TEL:044-722-5581)
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たった一滴かもしれません。
けれど、そのしずくが、だれかの心を潤すこともある。
そんなやさしい“はじめの一歩”を、一緒に見つけてみませんか?
次回もまた、まなざしの先で見つけた風景をお届けします。