【まなざしの先に】
第3話:「今日も一緒に、いい時間が流れていました」
~重なる音とぬくもりが、ゆるやかなつながりを紡いでいく~
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◆はじめに
> 今日の“まなざしの先”には、「チー」「ポン」「ロン」と響く音とともに、
その場に集った人たちの想いやぬくもりが、ゆっくりと、自然に交わされていく光景がありました。
このコラムでは、日々の活動や地域での出会い、読書や小さな気づきを「まなざしの先に」映る風景として綴っています。
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◆ある日のエピソード
「チー」「ポン」「ロン」
麻雀卓から聞こえる声は、まるで暮らしのリズムのように、静かに場をあたためていきます。
今日も卓を囲んでいたあの方は、手が少し動かしづらいけれど、
ゆっくり、ていねいに牌を揃える姿がとても美しくて。
その様子に、自然とまわりの人たちがやさしくなっていく――
そんな時間が、今日もここにはありました。
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◆そっと置かれた工夫と、そこから生まれる会話
片手で牌を並べるのがむずかしい方のために、
使いやすく工夫された補助道具をご用意しておいます。
この日、みんなのリビングに立ち寄ってくださった他の地域カフェのボランティアさんに、
この補助道具をお見せしながらお話ししたところ、
「亡くなった主人も脳梗塞のあと麻痺が残っていたけど、こういう道具を使って麻雀を楽しんでいたのよ」と、
懐かしそうに語ってくださいました。
その時、ふたりでこんな話をしました。
> 「どんな状況でも、楽しみをあきらめないって、
それだけで、よりよく生きてきたって言えるんじゃないかな」
静かな共感が、コーヒーの湯気とともに流れていく、そんなひとときでした。
片麻痺の方でもできる 麻雀牌を揃える方法(動画)
情報提供:山口健一氏(作業療法士)/アイデアわくわくリハビリ
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◆ひろがっていく楽しみ
この日、はじめて訪れた方が、
手芸スペースを見て「次はわたしも一緒にやってみたい」と声をかけてくださいました。
その“ちょっとしたひと声”が、次の楽しみにつながっていく。
暮らしのなかにある“自分からの一歩”が自然に生まれる空気が、
みんなのリビングには流れています。
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◆誰でも安心して過ごせる「お茶の間」
みんなのリビングは、いわゆる“コミュニティカフェ”というより、
昔ながらの「お茶の間」のような場所です。
コーヒーを飲んで話す人、手芸を楽しんでいる人、
ただ座って静かに過ごす人。
そしてすぐそばで、健康麻雀に夢中になっている人たちの姿があります。
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◆あなたも、どうぞ
みんなのリビングでは、速さや勝ち負けではなく、
「一緒に考える」「一緒に笑う」
そんな時間そのものを楽しんでいます。
麻雀がはじめての方も、そばに座って「それで合ってるよ」と
見守ってくれる人がいます。
そうした、さりげないやさしさが、いちばん心強いのかもしれません。
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◆次回のお知らせ
みんなのリビング
日時:2025年5月2日(金)13:30~16:00
準備中(13:00~13:30)、お食事することができます。
※お弁当・おやつの持ち込みOK/お茶のご用意あり。ゴミの持ち帰りのご協力をお願いいたします。
健康麻雀:2卓(手積み)/初心者歓迎/見学もOK
手芸スペースもあります(いっしょにやってみたい方も募集中)
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◆お知らせとお願い
現在、麻雀が初めての方とゆっくり遊んでくださる方を募集中です。
また、修理を重ねて使っている麻雀卓があるため、折りたたみ可能な麻雀卓のご寄付も受け付けています。
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◆おわりに
「誰かのため」じゃなくて、
「わたしの今日を、誰かと過ごすこと」。
自分の好きなことをしながら、
ふと誰かと目が合って笑い合える――
そんな風景が、暮らしの中にあることのしあわせを、
今日もまた、教えてくれました。
静かに、そして確かに、
ぬくもりの音が重なっていく場所――
それが、みんなのリビングです。